Cumulus Day 176

「昔、中国に哲学者がいた。その哲学者が、ある日、弟子をつれて散歩にでた。河岸へくると、魚が泳いでいるのが見えた。それを見て、哲学者は、魚が楽しんでいるといった。弟子は、あなたは魚ではないのにどうして魚が楽しんでいるとわかるのですと、たずねた。すると哲学者は、おまえはおれではない。それならば、おれが魚の楽しみをわかってはいないと、どうしておまえにわかるのだといった。すると弟子は、私はあなたではないのだからもちろんあなたのことはわからない。あなたはもちろん魚ではないのだから、あなたに魚の楽しみはわからない。これはたしかだ、といった。この哲学者は誰だ。弟子は誰だ?」 よかった。それぐらいならわかる。 (貝塚をつくる by 開高健) “Once upon a time in China, there was a philosopher. This philosopher went out for a walk with his apprentice. When they reached a river bank, they saw some fish swimming. Seeing the fish, the philosopher said, the fish are enjoying themselves. The apprentice asked, how do you know the fish …

Cumulus Day 16

古代ギリシャ(紀元前三五〇年ごろ)のアリストテレスは「植物は、逆立ちした動物である」と言った。すなわち、「植物は、生殖器官である花を上部に持ち、顔を下部に持つ」というのだ。だから、口の役目をする根は、地下部にある。「根が土の中から食べ物を取り込んで、植物は成長する」と考えた。この考えは、長い間、多くの人々に信じられた。(不思議の植物学 by 田中修) In Ancient Greece (350B.C.), Aristotle said, “Plants are upside down animals”. What he meant was “plants have flowers, their sexual organs, at the top and their faces on the bottom”, and so their mouths, roots, are located in the ground. He thought “Roots take in food from the soil, which allows plants to …